【5/6生まれ】フロイトの考えを表した言葉

東ヨーロッパ

精神分析の創始者フロイトは、オーストリア帝国モラヴィア地方のフライベルク(現チェコ)に生まれました。

「あなたの“無意識”が、あなたを動かしているとしたら…?」

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ジークムント・フロイトの考えを表した言葉

※これらの見解はフロイトの理論に基づくものであり、ご紹介した幾つかの考えは、現代の社会背景、心理学、性科学の観点からは批判や再解釈があります。

【性対象】

「欲動は最初から相手に向けられるものではなく、先に欲動があって、あとから対象が選ばれる。私たちはその結びつきを実際以上に深いものと錯覚しやすい。」

「人は元々どちらの性にも惹かれる可能性がある。その為、異性に恋愛感情を持つのは当然ではなく、説明が必要なテーマである。」

【性の展開】

「女性の性的快感は幼少期には陰核に集中しており、思春期以降は身体のより深い部分への感覚へと移行すべきである。この移行がうまくいかないと、性的未成熟と見なされることがある。」

「性的満足の表現として、赤ん坊が母乳を飲んで満足し、頬を赤らめて微笑みながら眠りにつく姿は、後の人生における性的満足の原型として残る。」

【精神病理】

「男性は、愛する相手には欲望を抱けず、欲望を抱く相手には愛情を注げないというケースがある。」

「性的なものこそが、精神神経症および神経症全般の問題を解く鍵である。この鍵を軽んじる者には、その扉を開くことは決してできない。」

【サディズムとマゾヒズム】

「サディズムは性の性本能を形づくる小さな部分的な欲望の一つであり、愛の衝動と破壊本能が強く結びついたものである。その対になるマゾヒズムは、性欲と自己内に働く破壊の力との結合である。」

「マゾヒズムは、もともとは外部の対象に向かうはずの攻撃的な欲動(サディズム)が自我自身に向け直されたもの。そのような欲動の自己への転換は、欲動発達の初期段階への退行だと考えられる。」

【エロスとタナトス】

「人間の行動は主にエロス(生の情動)とタナトス(死の衝動)によって動かされる。」

「生の情動は、愛する自我と対象とを可能な限り一体化しようとする欲動であり、そのために両者の間にあるあらゆる隔たり、たとえば物理的な空間の障壁を取り除こうとする。」

「食べる行為には対象を破壊して自我の内部に取り込もうとする側面があり、一方で性行為は対象との極めて親密な合一を目的としながら、その過程に攻撃的な性質を伴う。」

【社会構造】

「人間はやがて、生殖器的な愛による快感こそが最も強い充足をもたらし、あらゆる幸福の原型となることを知り、幸福を性的関係に求めて生殖器的快楽を人生の中心に据えるようになった。」

「不道徳もまた、道徳と同様に、常に宗教の支えを見出してきた。」

「文化は欲動の抑制(放棄)を基盤としている。そのため、欲動を満たそうとする身体と、それを抑えようとする文化の間には、常に葛藤がある。」

「性の問題に関して、今の私たちは、病んでいようと健全であろうと、誰もが偽善者である。」

「人々は自らのセクシュアリティを自由にさらけ出すことはなく、それを隠すために、まるで性的世界の天気が悪いかのように、嘘で織られた重いオーバーコートをまとっている。」

 

フロイトについて

フロイトは、人の心に潜む“無意識”を理論化し、夢や欲望、性の意味を深く掘り下げました。
代表作『夢判断』では、自身の夢をもとに無意識の働きを解明しようとしました。

若き日は、医療用途としてのコカインに注目し、自ら使用しながらその効果を提唱しましたが、やがて「不当治療の唱導者」として医学界から不信を買うことになります。

その革新的思想は多くの弟子を惹きつけましたが、やがて決別も生まれます。
アドラーは、フロイトによる性的要因の過剰な強調に反発し、人間の行動を「劣等感」と「補償」によって説明する個人心理学を築きました。
また、ユングはリビドーを「性的」なものに限定せず、より広い心理的エネルギーとして再解釈し、神話や象徴に着目した分析心理学の道へと進みました。

1938年、ユダヤ人であったフロイトはナチスの迫害から逃れ、ロンドンへ亡命。
彼は激動の20世紀を生き抜いた思想家でもありました。

今日では精神分析は医療現場で主流ではないものの、心理学や文学、文化において深い影響を残し続けています。

実証性やジェンダー観をめぐる議論を呼びながらも、フロイトの言葉は今も私たちの思考の中に息づいています。

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