【5/12】に誕生した最古の2大学

南アメリカ

奇しくも5月12日には、東欧と南米でそれぞれ最古の大学が設立されました。今回はこの二校の歴史と逸話を紹介します。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

5月12日に誕生した最古の2大学

王立リマ大学

1551年にスペイン国王カルロス1世の勅令で設立された、南北アメリカ大陸最古の大学です。
第2代ペルー副王アントニオ・デ・メンドーサが整備に着手しましたが、開校直前の1552年に死去しました。第5代ペルー副王トレドのもとでカトリックと王権の支配を正当化する教育機関として強化され、先住民支配の手段としても機能しました。
大学の初期には、「悪魔的な知識」や異端思想の排除が徹底されましたが、後に自由主義・近代思想の拠点へと変化しました。

 

ヤギェウォ大学

カジミェシュ3世により1364年に創設され、プラハ大学に次ぐ東欧第2の大学です。ボローニャ大学を手本に国家寄りで学生自治を採用し、パリ大学を模範としたプラハ大学とは対照的に教会からの独立を特徴としました。

しかし、1370年にカジミェシュ3世が急死し、後継者のルドヴィク・アンジューが大学に関心を示さなかったため、大学の活動は一時中断されます。

その後、1390年代にヤドヴィガ女王の支援で大学は再建されました。中でも1397年に教皇ボニファティウス9世の勅書により創設された神学部は、教授にとって学問的キャリアの頂点とされる重要な学部となりました。

ヤギェウォ大学には、数多くの興味深い逸話が残されています。
例えば、ヤドヴィガ女王が王冠の宝石を売却し、石畳に跪いた跡が「女王の足跡」として今も大学構内に保存されているという美しい伝説があります。

また、1406年にはヨーロッパで初めて数学と天文学の独立講座が設置されました。これは、神学中心だった当時の大学教育の中で、自然科学への先駆的な姿勢を示す画期的なものでした。

1491年には、地動説で有名なコペルニクスが入学し、当時最先端だった天文学講座から大きな影響を受けたとされます。彼の在籍記録や観測器具の模型は、現在も大学に残されています。

一方で、19世紀には「ヤギェウォ王のミイラ」騒動もありました。大学の地下室で発見されたミイラが王の遺体ではないかと話題になりましたが、後に中世の解剖学教材であることが判明しています。

ただ、大学の歴史には痛ましい出来事も含まれます。
1939年、ナチスによって教授約180人が逮捕され、強制収容所へ送られた「ソンダーアクツィオン・クラクフ」事件が発生し、多くの知識人が命を落としました。

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク
南アメリカ東ヨーロッパ

寄付(donation)

タイトルとURLをコピーしました