フィヒテ
「汝の活動、一人汝の活動のみが、汝の価値を決定する。」
ボーヴォワール
「人の人生には価値がある――それは、自らが他者の人生に価値を見出す限りにおいてである。」
フィヒテ
「私たちは知っているから行動するのではなく、行動するように求められているから知っているのです。実践的理由は、すべての理性の根源です。」
フーコー
「人は自分が何をしているかは知っている。しばしば、なぜそれをしているのかも知っている。
だが、自分のしていることが“何を引き起こすのか”は知らないのだ。」
フィヒテ
「統治を不用とするのが、すべての統治の目的である。」
アレクサンダー・ハミルトン
「政府はなぜ存在するのか?それは、人間の情熱が理性と正義の命令に従わないからである。」
ヨハン・ゴットリープ・フィヒテは、ヘーゲルやフリードリヒ・シェリングに影響を与えた、ドイツ観念論の中心人物の一人です。イマヌエル・カントに強い影響を受け、息子に「イマヌエル」と名付けるほど深い敬意を抱いていました。
若きフィヒテは、カント哲学に基づく著作『すべての啓示の批判の試み』を匿名で発表します。その内容が非常にカント的だったため、「カントの新作」と誤解され大きな話題となりました。後にカント自身が著者がフィヒテであることを明かし、彼は「カントの正統な後継者」として一躍注目を集めました。
その後、イェーナ大学で教授を務めましたが、神の存在を前提とせずに倫理を論じた講義が「無神論」とみなされ、保守的な社会の圧力により辞職に追い込まれました。この事件は、外的権威に依存せず理性によって自律的に生きるべきだという彼の思想を象徴する出来事となりました。
教育や政治にも深く関心を寄せ、ナポレオン戦争下では愛国的演説『ドイツ国民に告ぐ』でドイツ民族の覚醒を訴えました。
フィヒテは、他者や環境に左右されるのではなく、理性と責任をもって主体的に生きることが大事だと説きました。