※この投稿で掲載している名言の中には、著作に明記されていないものの、サルトル思想の象徴として知られている“伝承的な言葉”も含まれています。
「午後3時という時刻は、
何をするにしても、
遅すぎるか、早すぎるのだ。」
6月21日生まれ。ジャン=ポール・サルトルの名言
フランスの哲学者サルトルは、“実存主義”を代表する思想家です。
第二次世界大戦後、「人間とは何か」「どう生きるべきか」という問いに真っ向から向き合いました。
生まれつき右目に斜視を抱え、1973年には左目も失明。
それでも晩年まで執筆と対話を続け、思想を生きた人として知られます。
同時代のバートランド・ラッセルが論理と理性による社会改革を説いたのに対し、サルトルは個人の自由と責任に焦点を当てました。
哲学的にはフッサールやハイデガーの現象学に影響を受けつつも、
「実在は本質に先立つ」
という言葉で、「人は何者かがあらかじめ決まっているのではなく、自分の選択によって“自分”を形づくる存在である」と説きました。
「生まれながらに意味づけられている」という宗教的な考えに異を唱え、価値や意味は自分でつくるものだとする彼の思想は、無神論的実存主義の柱となりました。
また、ノーベル文学賞の受賞を「制度に取り込まれたくない」という理由で辞退し、自らの意思でノーベル賞辞退した史上初の人物としても知られています。
パートナーのシモーヌ・ド・ボーヴォワールによる
「人は女に生まれるのではない、
女になるのだ」
といった言葉も、彼の影響を色濃く示しています。
サルトルには、人生や社会を鋭くえぐる名言が数多くあります。
「地獄とは他人のことだ。」
「言葉とは、
弾丸が装填されたピストルである。」
「一人でいる時に孤独を感じるのなら、
あなたは悪い仲間と
付き合っているということだ。」
今回は、そんなサルトルの名言を7つのテーマに分けてご紹介していきます。
【ものの捉え方】
「わたしたちは
自分の愛する人を評価しない。」
「批評家とは、
他人の思想について思考する人間である。」
「過去とは、所有者の贅沢だ。
過去を整頓しておくには
一軒の家を持つことが必要だ。
私は自分の身体しか持たない。」
「成功とは品性と知性の証拠であり、
また神聖な保護を受けた証拠である。」
「約束とは言葉ではない。
行動なのだ。」
【信仰について】
「真実を言おう。
すべての人が預言者でなければ、
神は存在しない。」
「私は神を信じない。
科学がその存在を否定したからだ。
しかし、強制収容所で
私は人間を信じることを学んだ。」
「彼女は何も信じていなかった。
彼女を無神論者にしなかったのは、
ただその懐疑心だけだった。」
【善悪について】
「悪とは、
人間が具体的なものを抽象化する
能力によって生み出されるものである。」
「善良な魂などいらない。
私が欲しかったのは共犯者だ。」
【貧者について】
「貧者は、
自分たちの人生の役割が我々の寛大さを
引き出すことであることを知らない。」
「寛大さとは、
所有したいという狂気に他ならない。
私が手放すもの、与えるものは、
与えることでより高次の形で楽しむことができる。
与えることとは、
与える対象を所有的に楽しむことだ。」
「貧しい人間には二種類ある。
一つは共に貧しい人々であり、
もう一つは一人で貧しい人々だ。
前者が本当の貧者であり、
後者は運に見放された富者にすぎない。」
【革命】
「チェ・ゲバラは
20世紀で最も完璧な人間だ。」
「ボートを漕がない人間だけが、
ボートを揺らして波風を
立てる時間がある。」
「私は徳を持っていない。
しかし、十分な血を流せば、
私たちの息子たちは
徳を持つ権利を手に入れるだろう。」
【生き方】
「すべての答えは出ている。
どう生きるかということを除いて。」
「永遠であるという幻想が失われた時、
人生は意味を持たなくなる。」
「現代の資本主義社会には生活はない。
あるものはただ宿命だけだ。」
「1日16時間働いているとき、
人は聖人にはなれない。」
「人は、いずれ失うものをまだ持ち、
これからなるものをすでに持っている。
人は自らの死を生き、また自らの生を死ぬ。」
【自由】
「自由とは、
自分にされたことに対して
自分がどうするかである。」
「自由とは、自由であるべく、
不自由になることである。」