「私は、民衆に重苦しく思われるよりも、宮廷人に笑われる方がましだ。」
9月27日生まれ。ルイ13世の名言3選
「偉大な人物の特権とは、自らの時代を揺さぶることにある。ひとたび衝撃が加われば──あとは誰が生き延びられるかだ。」
「彼(リシュリュー)こそが、フランスがこれまでに持った最大の奉仕者である。」
ルイ13世(1601–1643)はブルボン朝フランスの国王であり、後に絶対王政が完成するための基盤を整えた人物です。彼の治世は、後世に「陰の王」と呼ばれる宰相リシュリュー枢機卿と切り離して語ることはできません。若くして王位についたルイ13世は、母后マリー・ド・メディシスとの確執や貴族の反乱に苦しみましたが、リシュリューを登用して王権の中央集権化を進めました。リシュリューは三十年戦争に参戦してハプスブルク家を抑え、国内でも反抗的な貴族やユグノーを制御して王権を強化しました。ルイ13世は彼を「フランスがこれまでに持った最大の奉仕者」と称え、国王と宰相の協力関係は絶対王政の確立へと道を開いたのです。
コニャック地方では16世紀半ばの1549年にすでにワインの蒸留が始まり、ブランデーの原型となる酒が造られていました。ルイ13世の治世(17世紀前半)には蒸留技術が改良され、後に世界的に知られる「コニャック」へと発展していきます。のちにレミーマルタン社が発表した高級ブランデー「ルイ13世」が彼の名を冠したのは、フランス王としての威光とその時代の象徴性を示すものといえるでしょう。

