「今を生きる最も高潔な人物が書いた六行の文章を私に渡してみよ。私はそこから、その人物を絞首台に送るに足るものを必ず見つけ出そう。」
9月9日生まれ。リシュリューの名言

【他者】
「友情はすべての不幸に効く薬である。しかし恩知らずは、すべての善の泉を枯らしてしまう。」
「敵を欺くためなら、騙しは許される。敵に対してはあらゆる手段を用いることができる。」
「私は眠らぬ。私が目覚めている間に、他者が安らかに眠れるようにするためだ。」
【王や国家】
「はぐらかす事は王の知恵である。」
「国家の大事において、秘密は第一の要件である。」
「国家にとって最も危険なのは、書物から抜き出した格言で王国を治めようとする者である。」
「たったひとつの言葉が、ときに帝国を失わせ、また勝ち取らせることもある。」
【他】
「理性こそが普遍的な規範であり導き手でなければならない。すべては理性に従って行われるべきであり、感情に左右されてはならない。」
「もし神が飲酒を禁じたのなら、なぜこれほど美味いワインをお作りになったのか?」
リシュリュー
リシュリューは、フランス王ルイ13世に仕えた枢機卿にして宰相であり、近世ヨーロッパにおける最も影響力の大きな政治家のひとりです。中央集権体制の確立に尽力し、王権を強化する一方で、巧みな外交・情報戦を駆使してフランスを大国へと導きました。その辣腕ぶりと権謀術数ゆえに人々から畏怖され、また同時に憎悪の対象にもなりました。
彼は、アレクサンドル・デュマの小説『三銃士』にも登場します。作品中では主人公ダルタニャンや三銃士の敵役として描かれ、その姿は後世の人々に「冷徹な策士」としてのイメージを決定づけることとなりました。
もっとも史実のリシュリューは、同時代人にも恐れられ、敵も多かったことは事実ですが、フランス国家の安定と発展のために徹底して合理を重んじた政治家でもありました。