ミル
「ひとりの女性を
理解できたからといって、
他の女性も理解できるとは限らない。」
バルザック
「人は判断すればするほど、
愛することができなくなる。」
ミル
「男性が女性に求めているのは、
単なる服従ではない。
彼らは女性の“心”までも欲しているのだ。」
バルザック
「男は年をとると与えるものがなくなり、
ただ受け取るばかりだ。
恋人を愛するにも、
恋人のうちにある自分を愛する。
若い頃には自分のうちにある恋人を愛する。」
ミル
「私たちは“男性らしさ”“女性らしさ”の
本質を誰ひとりとして知っておらず、
知りようもない。
もし、男性だけの社会や女性だけの社会が
存在していたなら、あるいは、
男女が共に暮らしながらも
女性が男性の支配下に置かれていない社会があったなら、
ーー何かしら確かなことがわかったかもしれない。」
バルザック
「女性が愛しているとき、彼女たちはすべてを許す――
たとえ私たちの罪でさえ。
しかし、愛していないときには、
何ひとつ許さない――たとえ私たちの善い行いですら。」
ミル
「今、私たちが“女性の本性”と呼んでいるものは、
極めて人工的なものだ。」
バルザック
「慎み深さは肉体の良心である。」
ミル
「結婚は、現在の法律において
唯一存在する「実際の束縛」である。
法律のもとで正当化された奴隷はもはやいない。
一家の女主人を除いて。」
バルザック
「あらゆる知恵の中で、
結婚についての知識が一番遅れている。」
ミル
「ある社会における“風変わりさ”の度合いは、
そこに存在する天才、精神の活力、
道徳的勇気の量におおむね比例してきた。
そして、今や風変わりであろうとする者が
ほとんどいないということこそが、
現代における最大の危機を示している。」
バルザック
「天才とは、やろうと思ったことは
断じて実行に移す人間のことである。」
ミル
「満足した豚であるより、不満足な人間である方がよい。
不満足なソクラテスである方が、満足した愚者よりよい。
そして、もし愚者や豚が異なる意見を持っていたとしても、
それは彼らが自分の側しか知らないからに過ぎない。」
バルザック
「私たちは、不幸も幸福も同じように大げさに語る。
実際には、自分が言うほど不幸でもなければ、
言うほど幸福でもないのだ。」
ミル
「悪人が目的を達成するために必要なのは、
善人が何もしないことである。」
バルザック
「法律は蜘蛛の巣である。
大きな虫は突き抜け、小さな虫だけが引っかかる。」
イギリス出身の哲学者ジョン・スチュアート・ミルは、自由と平等を論じた『自由論』『女性の隷従』などの著作を残し、社会思想に大きな影響を与えました。一方、フランス出身の作家オノレ・ド・バルザックは、ヴィクトル・ユーゴーやアレクサンドル・デュマの親友でもあり、サマセット・モームに「確実に天才と呼ぶにふさわしい人物」と評されました。代表作である長編小説群『人間喜劇』は、後のドストエフスキーやトルストイらに連なる写実文学の先駆けとなりました。