7月の誕生日はカリスマ的な格闘家が多くいましたが、8月は一転し、ファッション界で名を馳せた人物たちが目立つ印象があります。ルイ・ヴィトンも、その代表格のひとりと言えるでしょう。
ただし、彼自身の名言はほとんど残されていません。そのため今回は、彼が遺した哲学を体現する、ルイ・ヴィトンのブランドのスローガンをいくつかご紹介します。
Volez、Voguez、Voyagez – Louis Vuitton
「空へ、海へ、彼方へ――旅するルイ・ヴィトン」
L’Art de Voyager
「旅することは芸術である」
The Spirit of Travel
「旅の真髄(こころ)」
ルイ・ヴィトンは、13歳で故郷ジュラを離れ、徒歩でパリに向かい、トランク職人マレシャルのもとで修行を積みました。その腕を見込まれて、後にナポレオン3世の皇后エウジェニー・ド・モンティジョの専属トランクメーカーに任命され、上流階級からの信頼を得ます。
1854年、パリのカプシーヌ通りに自身の工房を開き、1859年にはアスニエールに専用工房を設けて生産体制を拡大。その後もブランドは革新を重ねて発展しますが、1871年の普仏戦争では需要が激減し、工房は荒らされ、道具は盗まれ、職人たちも離散するという苦境に直面しました。
それでもヴィトンは再起し、オペラ座近くに新たな店舗を構えてブランドを再建。やがてその名は、世界を代表するラグジュアリーブランドとして広く知られるようになりました。