皆様は「アド・アストラ」という漫画をご存知でしょうか。ポエニ戦争でもっとも目立っていた名将ハンニバルが活躍する戦いで、古代の中でも特にインパクトのあります。今回は、そんな大昔の戦いであるポエニ戦争を舞台にした漫画「アド・アストラ」についてご紹介していきます。
古代の歴史的戦いを描いた漫画「アド・アストラ」
外国の歴史ものの漫画と言えば、キングダム、三国志、蒼天航路、ソンビンなど中国物が多いですが。ヨーロッパだとヒストリエを思い浮かべる方もいるかもしれません。
基本的に勇猛な将軍を描いた漫画よりも、知将がクローズアップされることが多いです。知将と言えば忘れてはならないのが、ローマの難敵であるハンニバルですが、やはり彼を描いていた漫画がありました。
今回は、「アド・アストラ」の大まかな概要について述べていきます。ちなみに「Ad Astra(アド・アストラ)」という意味について気になった方もいるかもしれません。
こちらに「Ad Astra(アド・アストラ)」の意味について説明している記事がありますので、気になった方はご覧ください。
幼少期の英雄二人を垣間見れる
実は「アド・アストラ」の予備知識なしで呼んでみたのですが、てっきりハンニバルが主人公の漫画とばかり思っていました。
しかし、「Ad Astra(アド・アストラ)」というタイトルの通り、大スキピオの方が主人公の漫画でした。
スキピオは学校の授業では大スキピオと小スキピオが登場するので、何となくそこまでの英雄でないのかなという印象すら持つ方もいるかもしれません。しかし、ハンニバルに負けず劣らず大スキピオも英雄であります。
ハンニバルの幼少期
ハンニバルの名前には、「バル」とはバールという神の名前から付けられています。そのエピソードは歴史が好きな人はワクワクすること間違いなしです。
また、ハンニバルは頭脳明晰であるが、感情を持たないサイコパスのような子供として描かれています。ある日とてもインパクトのある行動をしてローマに子供ながらに宣戦布告します。
その行動は計算尽くされていてまさに悪魔的にも見えてとても人を観るものを惹きつけます。
大スキピオの誕生
大スキピオの父は、子供であるハンニバルとの対峙で彼の恐ろしさに戦慄しました。そこから一人の天才がこの世に生まれるのですが、それが大スキピオです。
大スキピオの父もローマ屈指の英雄ではあり、ハンニバルの父もカルタゴの不敗の名将として名を馳せていました。
そんな二人の英傑の子らがそれぞれの視点によって物語が進んでいくのを見て心躍る読者はたくさんいることでしょう。
ハンニバルと大スキピオの関係
最初から完全無欠の強者として描かれているハンニバルに対して、大スキピオはハンニバルに追いつこうと彼を必死で追いかけます。
ハンニバルを模倣したり、時にはさらにいろいろな工夫を加えてさらに効果的なものに昇華させたりしていきます。
まさに大スキピオは「Ad Astra(アド・アストラ)」というタイトルの主人公にふさわしい描かれ方をしています。
名だたる英雄たちが躍動
もちろん二人の巨頭だけでなく、その脇を固める存在達にもテンションがあがること間違いなしです。
もっとたくさん英雄が登場するのですが、ここでは特に目立っている人々や民族や兵種について少々ご紹介していきます。
ローマの剣と盾
マルケルスにファビウスという「ローマの剣」、「ローマの盾」というかっこいい呼び名があった英雄が登場します。
彫像のイメージがあったからか、マルケルスが勇ましい老将に描かれているのには驚きました。
またファビウスに関しては、彫像がとても美しい感じだったので、こちらもイメージと全然違いました。
そして、「アド・アストラ」で知ったのですが、ファビウスにはあるあだ名が史実でも実際にあって、こんなあだ名がついているのかと少々ショックを受けました。
自身で三国無双のempireなどで二人を作成したことがあるのですが、現実の彼らとは随分違う感じで作ってたなぁと気づかされました。
ただ、作者は年齢や容姿などを史実に基づいて再現しているようだったので、改めて古代の英雄達についての自身の印象を刷新するきかっけになりました。
中には歴史ものでお決まりのような気は優しいけど田舎者ふうな豪傑が登場したり、アフリカ大陸を舞台にしているだけあってドレッドのクールな将が登場したりします。
登場人物のルックスもそれぞれ個性があり見分けがつきやすく、これどっちの人物だっけ?みたいなことは読んででおきません。
実際に聞いたことある名前と漫画での絵を見比べると、彼はこう描かれているのかとかいろいろな楽しみ方ができます。
自身のイメージ通りの人物だったり180度違ったりするのは、どちらに転んでも非常に心が躍ります。
様々な種族や兵種が登場
屈強な肉体を持つ勇敢な戦士集団であるガリア兵や、石を投げるのを得意とするバレアレスの投石兵、巧みな馬術と槍を投げて攻撃するヌミディアの騎兵など多種多様な兵種や民族が登場して観るものを魅了します。
また、歴史ものの魅力の一つである武器では、グラディウスなどの有名な武器も登場してきて懐かしさと共に、こんな形だったかなとか、こうやって使われていたのかなど改めて知ることができます。
そして、アフリカとローマを股にかけた戦いならではの象兵まで登場するという非常に壮大なスケールで人種や武器が入り混じって戦が展開していきます。
歴史漫画好きは見ておきたい「アド・アストラ」
前述で述べたように英雄の存在や戦面だけでなく、政治的な背景や駆け引きといろんな要素を交えて丁寧に描かれています。
古代の歴史に詳しくなりたい方はこの本を読んだら、興味が増進したり、いつの間にか歴史の流れが頭に入っていることでしょう。
また、もともと歴史が好きな方は書物で呼んでイメージしていたものを、ビジョン化して堪能することになり、新たな刺激を得られること間違いないです。
すでに完結している漫画ですので、是非これを機会に「アド・アストラ」をお読みになってみてはいかがでしょうか。