話題映画のタイトルAd Astra(アド・アストラ)の意味-ラテン語-

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絶賛放映中のブラッド・ピット主演の話題の映画Ad Astra(アド・アストラ)をご存知でしょうか。Ad Astra(アド・アストラ)とは様々な言語の源流となるラテン語になります。今回の記事では、Ad Astra(アド・アストラ)の意味について迫っていきます。

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Ad Astra(アド・アストラ)はラテン語?

ijmaki / Pixabay

この言葉を調べるきっかけとなったのは、9月から放映中の映画「アド・アストラ」を見に行って興味を持ったからです。

フランス人の友人に誘われて行ったのですが、観終えてからアド・アストラってどういう意味と聞いてみました。友人は、英語ではないし、おそらくラテン語系の言葉ではないかと言っていました。

おそらくと前置きをして、宇宙や星を表す言葉ではないのかなと言ってました。確かに「Astra」は英語で言うところ「Astro(宇宙や星を意味するときに使う)」のことを言ってるように見えますね。

「ad」は「~へ」を表す

とても気になったので、後程調べてみたら、「Ad Astra」とは「宇宙へ」「星へ」と言った意味を持つようです。「Ad」とはラテン語で日本語で言うところの「~の方へ」を意味するような言葉のようです。

英語はラテン語の影響を受けていますが、例えば英語のaddict(中毒)という言葉は「ad」と「dict」に分けることができます。「dict」の語源はラテン語の「dicere」という「話す」という意味が由来になっています。

なので、「addict」は直でつなげれば「その方向に話す」となり、も少し整えれば「そればかり話す」となります。最終的には、話に熱中するとなり、結果中毒という意味までになったようです。

「ad」のルーツを知っておけば、知らない英語の単語もしくはラテン語の影響を受けてる言語の単語が出てきてもなんとなく予想がつくかもしれませんね。

「ad astra」を用いた格言がある

RobinHiggins / Pixabay

ラテン語の特に有名な格言に「per aspera ad astra」というものがあります。「per」には忍耐、「aspera」には貫くのような意味があります。

なので、我慢を通り越して星に至るといった感じになるのでしょうか。言い換えれば、困難や試練などの先に栄光があると言った感じの意味なのかもしれません。

geralt / Pixabay

「ad astra」のイメージとしては、「per aspera ad astra」のような意味を連想させるさせる人も少なくないのかもしれません。

「ad astra」の言葉の由来についていろいろ調べてみた所、どうやら昔の文献でこの言葉が使われたのが元となっているようです。2冊の書物で扱われていたみたいなので、ご紹介していきます。

アエネーイスⅨ

darksouls1 / Pixabay

ローマの詩人ウェルギリウスの書いたもので、そこに「ad astra」という言葉が登場します。アエネーイスは、ギリシアの神話に出てくる英雄で、半分人間であり半分神である存在です。

その書物では、勇気がある人は最終的に天に到達すると言った感じの内容を書いたところで使われているようです。

怒り狂うヘラクレス

ローマの哲学者小セネカが書いた書物で、星へ辿り着くための簡単な方法はないと言った感じのことを言っているのですが、そこでも「ad astra」という言葉が登場します。

二つの書物からは、どちらも星もしくは天に行くことが簡単ではないという感覚があるように感じます。もしくは厳しい道を超えれば、たどり着けるといったことを表していると言えるかもしれません。

現在でも星に行くことは容易でないことは変わりはないですが、古の人々も同じような感覚を抱き、何か困難に向かう例え話をする時には星をメタファーとして使っていたのかもしれませんね。

「Ad Astra(アド・アストラ)」をタイトルにした作品

Free-Photos / Pixabay

ここでは、漫画の「アド・アストラ」と「AD ASTRA★PER ASPERA」、映画の「Ad Astra」について少々触れていきます。どの作品も魅力的なものなので、自身の琴線に触れたものを手に取ってみてはいかがでしょうか。

スキピオを主人公にした漫画「アド・アストラ」

こちらの作品はSFものではなく、歴史ものになります。人類を通して名将軍として知られるハンニバルと大スキピオに焦点を当てた漫画です。

また、この作品は実際に「per aspera ad astra」からこの漫画のタイトルを「アド・アストラ」としたそうです。大スキピオの方が主人公となっているので、文字通りの意味で使われていると言えます。

この漫画について、本サイトでもより詳しく述べていますので、よろしかったらこちらの記事もご覧いただけたら幸いです。

大スキピオとハンニバルを描いた漫画「アド・アストラ」-南欧編-
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「AD ASTRA★PER ASPERA」

格言「per aspera ad astra」を反対にして、「アド アストラ ペル アスペラ」とすることによって音の響きが日本人的には印象に残るようなインパクトを与えているようにも見えます。

こちらはSFものの作品ですが、基本的にはギャク漫画のようです。地球が外からの侵略者によって制圧され、支配された話を扱っています。

ブラッド・ピット主演の映画「Ad Astra」

観た感じでは、「per aspera ad astra」のような意味があるようにも見えました。ただ、映画の内容的には困難を乗り越えた感じはありますが、栄光を手に入れたとは言い難いかもしれません。

作中で人々の反響について描かれているわけではありませんが、この物語での地球の人々の目線からは主人公は栄光を手に入れたように見えます。しかし、主人公自体に関してはまったくそんな心境ではないでしょう。

WikiImages / Pixabay

ある意味、主人公の父も海王星に着いたときも、周りから見える評価と自身の心境の違いについては同じような状況だったかもしれません。

この作品については実際に観に行って来たので、こちらの記事に関する感想についての記事もよろしかったらご覧ください。

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Ad Astra(アド・アストラ)の意味はヒューマンドラマと結びつきやすい

simonwijers / Pixabay

「per aspera ad astra」という格言があるように、人の成長や変化がある物語にはとても使い勝手が良い言葉とも言えます。

そして、その単語自体は星々や天界のような意味も持ち合わせているので、壮大な感じも与えます。

また、ラテン語といういろいろな言語のルーツとなっている言語なだけに、作品などのタイトルにするとより深みが増す効果もあるのではないでしょうか。

漫画「アド・アストラ」に関する記事はこちら

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