今から数年前にケインズ対ハイエクのラップバトルのMVが話題になりました。長い時を経てついに今年最新作が発表されました。今度は特に経済学者で有名なマルクスとミーゼスのマイクバトルが繰り広げられています。今回はマルクス対ミーゼスのMVに関して見ていきましょう。
経済学を扱ったラップ
今から遡ること9年ぐらい前にケインズとハイエクが討論する形で作成されたミュージックビデオが話題になりました。経済学にそこまで興味のない方でも、ラップを通して分かりやすく表現されているため、経済学に精通している人々以外でも経済に関心を持たせてくれるような内容になっています。ケインズ対ハイエクのMVに関心を持たれた方はこちらの記事をご覧ください。
今回の作品でラップをする人物に関して
まずはマルクスとミーゼスがどのような人物であったか、大まかにご紹介していきます。双方とも経済学者であり、どこの生まれで、どのような主張を持っていたのかなど諸情報に関して見ていきましょう。
マルクスとは
名をカール・マルクスと言い、プロイセン王国の出身です。経済学者であり、哲学者、思想家、革命家の顔を持ちます。社会主義の考え方や当時の労働運動に強い影響を与えて人物です。プロイセンの国籍を棄て無国籍となってからは、イギリスを拠点に活動することになりました。
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盟友であるフリードリヒ・エンゲルスの助けをえながら活動を続けていきます。資本主義が高度に発展することにより、共産主義社会が訪れると説いていました。資本主義の社会の研究に勤しんでおり、資本論を作成しました。資本論に基づく経済学体型は、後にマルクス経済と呼ばれ以降も国際的に政治や思想に影響を与えていきす。
ミーゼスとは
最初に話題となった経済学のミュージックビデオで表現された人物である「ハイエク」の師匠にあたる人物です。名をルートヴィヒ・フォン・ミーゼスと言い、オーストリア=ハンガリー帝国の出身になります。経済学者であり、現代の自由主義思想に大きな影響を与えてた人物です。ミーゼス、ハイエク共々肩書が経済学者がメインで、対するケインズやマルクスは官僚や革命家などの顔を持つ点が対照的と言えます。
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ミーゼスたちの一派は新オーストリア学派と呼ばれていましたが、彼らの活動の舞台はオーストリアではなく主にアメリカで活動していました。ミーゼスの主張には政府が介入し、市場などへ干渉していくと経済を停滞させると述べています。さらに第三の道や福祉国家で進む場合、結果的に政府の介入の拡大や統制を招くことになり、計画経済体制に転換していくと主張していました。
The March of History
こちらは日本語の対訳はありませんが、英語の字幕を付けて見た感じ簡単な単語が多く使用されており、分かり易いように感じました。今回の作品では二人の男性が経済に関して意見を交わしながら映画館に向かうシーンから始まります。そして映画館で彼らがマルクス対ミーゼスのラップ映画をみるという展開です。
また今回はサビにあたる部分では映画鑑賞をしに来た先ほどの彼らがボイスエフェクトを加えて唄わっているというスタイルです。流れとしては最初マルクスからラップをしながら自己紹介を兼ねて主張を展開していきます。
そこにミーゼスが現れドイツ語で挨拶をするのですが、自身が握手を求めておきながら手を引っ込めて挑発します。そしてミーゼスが自己紹介を兼ねて自身の主張をラップで展開していきます。様々な時事的な事を絡めながら二人のバトルが繰り広げられるため、理解し易かったように思います。